「福島第一原発観光地化計画」東浩紀編
2020年には東京オリンピック開催に合わせ、「災害復興博覧会」の開催と、東京から同地区へのアクセスの大幅改善、さらに、事故25年を迎える2036年には、その博覧会跡地にビジターセンターと博物館、ホテルなど擁する複合施設を建設し、東北観光の入り口にするとともに、廃炉作業が続く原発事故跡地への見学ツアーを組むなど、観光地化へのロードマップを示す。
そうした大規模な構想から、各施設の詳細プランやシンボルタワーの完成予想図、計画のフローチャートなどを視覚的にプレゼンする。
事故が風化しつつある中、事故の記憶を未来に伝え、末永く、そして広く事故への関心を引きつけるために、あえて観光地化をうたい、問題提起した意欲作だ。
(ゲンロン 1900円)