「誰がタブーをつくるのか?」永江朗氏

公開日: 更新日:

 国家権力によってタブーとなるものの代表には、わいせつ物がある。11年7月の改正都条例では、マンガやアニメが狙い撃ちにされた。

「マンガのわいせつ表現は、以前からタブーの対象となることが多かったんですが、“子どもを守るために禁止しましょう!”と叫ばれると同意せざるを得ない空気になります。しかし、ただ“見せたくない”という感情を正当化するために、見せないとどんな良いことがあり、その表現の何が悪いのかという根本が曖昧なままタブーとなるのはいかがなものでしょうか」

 人間がいて文化がある限り、タブーはなくならないと著者。タブーが存在することから目を背けず、なぜそれがタブーなのかを考え続け、あらゆることを疑って見る目を持つことが大切だと説いている。(河出書房新社 1400円)

▽ながえ・あきら 1958年、北海道生まれ。7年間の書店勤務ののち、雑誌「宝島」などの編集を経てフリーライターに。「広辞苑の中の掘り出し日本語」「批評の事情」「インタビュー術!」など著書多数。


【連載】著者インタビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち