ITにおいても産地と生産者の確認は必要

公開日: 更新日:

 本書はLINEの「ヤバイ『稼ぐ力』」の実態や、広告業界で大注目を集めているといった「陽」の部分と、「LINEいじめ」「ID乗っ取り」といった「陰」の部分を解説する。そのうえで、著者が重視するのは一体LINEが国産なのか、韓国産なのか、といった点である。

 LINE関係者は「LINEは日本製」と強調する。さらには日本経済新聞を含め、多くの日本メディアは「LINEは国産」といういったんの結論を出しているが、これが本当なのかどうかを、韓国取材の敢行によって明らかにする。

 恐らく多くの人は「国産か韓国産か?」にはそれほどの関心は持たないだろう。だが、著者はこれがいかに重要かを述べるが、これは私も同感である。というのも、一部のメディアが「韓国政府がLINEのデータを傍受している」と報じ、LINEを危険視し、そこに嫌韓のネットユーザーが「ほれみたことか!」と乗っかり、叩く構図があるからだ。

 ならば韓国産であることを前面に出すことには利点がない、と著者は書く。果たしてどちらなのかは本書を読んで確認いただきたいが、食べ物ではなくとも「産地」と「生産者」への理解を深めておくことが重要であることを理解できる書である。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー