本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している

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「フォトストーリー 沖縄の70年」石川文洋著/岩波新書 1020円+税

 いままで読んだ沖縄の本のなかで、この本は、私の心に一番響いた。理由は3つある。

 1つは、著者自身が「在日沖縄人」と呼ぶ沖縄生まれ本土育ちであることだ。私も30年以上、毎年沖縄に通い詰め、「心は島んちゅ」なので、内外双方の視点を持つ著者の主張は、腑に落ちる。

 2つ目は、著者がフォトジャーナリストとしてベトナム戦争の取材をした経験から沖縄を見ていることだ。太平洋戦争で国内唯一の地上戦が行われた沖縄では、多くの一般市民が戦闘に巻き込まれた。その市民の姿は、ベトナム戦争に巻き込まれたベトナム市民と重なる。しかも、沖縄はそのベトナムへと爆撃機を送り出す前線となっていた。

 3つ目は、著者が撮影した写真がふんだんに盛り込まれていることだ。写真のインパクトというのは、ときに文章を圧倒する力を持っている。

 本書を通じて強く感じるのは、沖縄がこの70年間、日本からずっと差別され続けてきているという事実だ。

 終戦の決断が少し早ければ、沖縄が地上戦に巻き込まれることはなかった。住民に自決を勧めなければ、親が自分の子供に手をかけるようなことは、頻発しなかった。

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