「リストラ日和」汐見薫著

公開日: 更新日:

 大手銀行名古屋支店で営業部長を務める森山は、支店長の横島から、子会社への転出を命じられる。大阪支店時代から横島に仕えてきた森山には青天の霹靂だった。人事に逆らうことが出来ず、子会社のレジャー施設で働き始めたが、銀行員時代のプライドが捨てられず、辞めてしまう。

 そして、社会保険労務士の資格試験の勉強を始めた森山に、東京地検から呼び出しがかかる。地検に出向くと、検事の江口から大阪支店で扱った債権回収の案件について根掘り葉掘り質問される。質問の内容から森山は、検察が横領の疑いで横島の身辺を調べているのではないかと気づく。そんな中、森山は銀行員時代の顧客から告訴されてしまうのだった。

 リストラされた中年男を主人公に描く心に染みる長編小説。

(角川春樹事務所 780円+税)

【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?