「十字架の王女 特殊捜査班カルテット3」大沢在昌氏

公開日: 更新日:

 2004年に誕生した物語がいよいよクライマックスを迎える。「特殊捜査班カルテット」シリーズの完結編である。

「もともとテレビドラマ化したいという思いから始動したシリーズで、若い読者に手に取ってもらいたい気持ちはありました。ただ、『ラノベ(ライトノベル)を意識したのか』と随分言われたんだけど、僕自身ラノベを読んだことがないのでよくわかりません(笑い)」

 主人公は、何者かに家族を惨殺された過去をもつタケル18歳。怒りを持て余し、純粋さを残す熱い少年だ。もうひとりは中国残留孤児3世のホウ。複雑な生い立ちゆえのアイデンティティーに悩み、絶望と虚無を内包した青年。このふたりを束ねるのが17歳のカスミ。容姿端麗・頭脳明晰だが、国際的犯罪組織のリーダーである父との葛藤を抱えている。

「彼らはプロの捜査官ではないし、反権力的思想もある。言うことを聞かないし、理屈抜きで動く。そんな彼らの“危うさ”が魅力のひとつだと思っています。僕の中でも新鮮なキャラクターでした。普段は冷静な大人を描くことが多いんでね」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も