【受け継がれる戦争体験】直接の体験者の数が年々減少し、戦争体験が空洞化しようとしている。テロの世紀にこそ、戦争体験の継承が必要だ。

公開日: 更新日:

「ぼくたちは戦場で育った」ヤスミンコ・ハリロビッチ著、角田光代訳

 冷戦体制が崩壊して世界が陶酔したのも束の間、多民族が集ってひとつの国家となっていた旧ユーゴスラビアは分裂し、民族紛争の泥沼に突入した。本書は現ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで育ったひとりの少年の回想記。

 といっても普通の文章本ではなく、エッセーの断片と写真、そして著者がSNSを通じて集めた約1000のボスニア人のメッセージを編集してある。背景の知識が必要な本だが、そこは紛争取材歴の長いジャーナリスト千田善が折々に解説文をはさんでいる。ちなみに翻訳はみずみずしい文体で人気の直木賞作家。思いの詰まった好著だ。(集英社 2100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    引退した東山紀之に錦織一清演出で「少年隊」還暦コンサートのすすめ

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    バナナマン日村が体調不良で休養するまでの“暴食・連食デイズ”と妻・神田愛花「お腹いっぱい食べさせる」の献身愛

  4. 4

    高市首相は筋金入りの嘘つき! 経歴詐称疑惑で米下院関係者が決定的証言「インターンだった」SNSで猛拡散

  5. 5

    高市早苗氏に経歴詐称疑惑…事務所が認めた!「議会立法調査官」は“造語”だった

  1. 6

    「2世タレント」がまた! 俳優の村上虹郎が交際女性への壮絶DVで書類送検…父親は村上淳、母親は歌手UA

  2. 7

    国民民主に公認取り消された娘が自死、母親も追うように…党内を震撼させた玉木代表の「長文釈明」

  3. 8

    バナナマン日村が突然の休養発表 超売れっ子がネタにしていた肥満体形…ロケ番組多数に心配の声やまず

  4. 9

    高額療養費制度があるから医療保険はいらない? 病院の窓口業務を行う筆者が実際に骨折して感じたこと

  5. 10

    NHK朝ドラ「カムカム」村上虹郎の未知数な魅力…“2世枠”飛び越えた存在感が話題