「ひとり居の記」川本三郎著

公開日: 更新日:

 8年前に妻を亡くし、悲しみと寂しさにようやく慣れてきたという著者が、初老の一人暮らしの日常をつづったエッセー。

 一人暮らしになって一番寂しいのは猫を飼えないことだという。旅や街歩きで家を空けることが多いからだ。その寂しさを紛らわすために部屋に飾っている猫の写真を撮影した写真家の岩合光昭さんの写真展を見に福島県のいわき市に出かける。いわきから常磐線で水戸まで戻り、JR九州の車両デザインで知られる水戸岡鋭治氏の仕事を紹介する展覧会へ。さらに水戸からローカル私鉄鹿島臨海鉄道大洗鹿島線に乗り大洗へ。惨劇を忘れぬよう東北を中心に出かけては街を歩き、その風景や折々に読んだ本、そして去来する思いを記す。(平凡社 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず