「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」蓮池透著

公開日: 更新日:

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の元事務局長が、拉致問題に関わる政治家らの裏切りや打算を告発したインサイドストーリー。

 その最たる人物は、2002年、官房副長官として小泉首相の電撃訪朝に同行、拉致問題を追い風にして首相に上り詰めた安倍首相だと断罪。安倍首相は、当初から北朝鮮に強硬姿勢を取り続けているかに見えるが、当時は平壌で日本人奪還を主張するわけでもなく、著者の弟夫婦ら一時帰国の名目で日本に戻った拉致被害者5人を北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していたという。

 他にも利用目的で被害者家族に接近してくる政治家やマスコミ、そして「家族会」や「救う会」の内幕まで、知られざる日朝交渉の裏側を暴露。(講談社 1600円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」