「象の墓場」楡周平著

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 1992年、写真感光材メーカー、ソアラ社日本法人に勤務する最上は新製品の担当に異動する。本社が社運をかけて開発した新製品は、フィルムをデジタル化する画像保管システムで、データを記録したCDをテレビで再生するプレーヤーも売り出すという。しかし、最上にはパソコンもまだ家庭に普及していないのに、売れるとは思えない。懸念を抱きながらも最上は、同僚の荻島とプロジェクトを進める。新製品のビジネスモデル確立をもくろむ本社は、日本にプレーヤー1万台のノルマを課してきた。

 かつて著者が勤務していたコダック社をモデルに、急激なデジタル化に立ち向かう個人と会社を描いた企業小説。(光文社 880円+税)





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