「マチネの終わりに」平野啓一郎著

公開日:  更新日:

 新聞連載中から評判を呼び、終了時には「マチネロス」なる言葉が飛び交ったほどの話題作。

 天才クラシックギタリストの蒔野聡史が運命の女性と出会ったのは、デビュー20周年記念コンサートの終演後。その女性、小峰洋子はフランスの通信社に勤めるジャーナリストで、38歳の蒔野より2つ年上。2人は出会った瞬間から互いに引かれ合う。

 しかし、どちらも40代にさしかかり大きな転機を迎えていた。蒔野はこれまでの音楽家人生で初めてスランプに直面。洋子は本来の自分に立ち返るべく、バグダッド陥落後の混乱するイラク取材を志願する。

 その間、蒔野と洋子はメールで相手のかけがえのなさを確認し合う。洋子にはアメリカ人の婚約者がいたが、パリで蒔野と再会したことで婚約解消を決意。2人の新たな生活が始まるかに思えたが、運命の残酷ないたずらによって2人は引き裂かれてしまう――。

 別れてもなお互いを求め合う2人が、ラストで再会するシーンは感動的で大いなるカタルシスをもたらしてくれる。成熟さに満ちた恋愛小説。(毎日新聞出版 1700円+税)



日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悪いのは告発女性? バナナ日村「淫行」同情論への違和感

  2. 2

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<上>

  3. 3

    安倍首相が怯える 近畿財務局“森友キーマン”証人尋問Xデー

  4. 4

    19歳ガングロで起業し注目「ギャル社長」藤田志穂さんは今

  5. 5

    台湾4割スラッガー王柏融めぐり 巨人vs阪神で争奪戦勃発

  6. 6

    高校68本塁打 早実野村プロ入り決意の裏にソフトB王会長

  7. 7

    大坂なおみが目指すWTAファイナル “超VIP待遇”の仰天全貌

  8. 8

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<下>

  9. 9

    「黄昏流星群」も フジドラマ放送前に打ち上げ続々のワケ

  10. 10

    “猫の目”打線にも順応 ソフトB中村は打順を選ばぬ仕事人

もっと見る