「野球酒場」前田恵著

公開日: 更新日:

 現役を終えた後、飲食業を始めるプロ野球選手は多い。全国遠征で飲み食いの豊富な経験を持つ彼らが開いた店はどんな店なのか、そして昔は語れなかったことも今なら語ってくれるのではないか。そんな期待を抱いた記者が13人の名プレーヤーの店を訪ねた。

 たとえば広島・十日市には、パンチョと呼ばれた木下富雄が開く「カープ鳥きのした」がある。おなじみのヒゲ姿でほぼ毎日店に出る木下は、「ヒゲの木下」は合いガモ、「長内」はねぎま、「コージ」はつくねといった具合に、焼き鳥にカープの選手の名前をつけている。ほかにも、若い頃から酒の強さには定評のあった角盈男が恵比寿に開いた昭和歌謡曲バー「m-129」、和製ヘラクレスの異名を取った栗橋茂が大阪・藤井寺球場跡地のそばに開くスナック「しゃむすん」なども紹介。

 現役時代の苦労談はもちろん、第二の人生に飲食業を選んだきっかけや葛藤なども語られる。本書片手に、名選手の酒場に足を運びたくなりそうだ。(ベースボール・マガジン社1600円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方