「欽ちゃんの、ボクはボケない大学生。」萩本欽一著

公開日: 更新日:

 物忘れが多くなってきた欽ちゃんは、認知症予防のために73歳で大学を受験して大学生になった。入学したのは駒沢大学仏教学部。茨城ゴールデンゴールズの監督をしていたときに知り合った中畑清の母校で、仏教を学んで仏教の中にあるすてきな言葉を知り、番組作りに生かしていきたいと思ったのだ。本書は、大学生活を送ることになった欽ちゃんの最初の1年間をつづった一冊だ。

 そっと出席するつもりがマスコミのカメラが入ってしまった入学式、オリエンテーションで戸惑う自分にレクチャーしてくれた同級生、どうせ来ないのでは……という周囲の予想を裏切って毎日一番前の席をキープしている講義、初めての学食体験、若者に聞いたアルバイトや就活事情などなど、年長の新参者は新鮮な目で大学生活をフルに味わう。途中、駅伝のスペシャルサポーターに任命された経緯やその中での出会いも語られる。

 年を重ねてから新しいことに挑戦する姿が読み手を触発する。(文藝春秋 1400円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?