「葵の月」梶よう子著

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 志津乃は、継母の時世が進める信吾郎との縁談に乗り気がしない。かつてのいいなずけ・蒼馬が忘れられないからだった。父の惣太夫は、将軍世嗣・家斉が居住する西丸の書院番組頭で、蒼馬は父の配下で働いていた。

 3年前、次期将軍として期待されていた家治の嗣子・家基が鷹狩りの際に立ち寄った寺で出された茶を喫した直後に不調を訴え3日後に息を引き取った。家基に随行していた蒼馬は、1年後に志津乃に一言「すまぬ」と言い残し出奔。今も行方が分からない。信吾郎から蒼馬が家基暗殺の犯人として疑われていることを耳にした志津乃は、真相を求め、蒼馬の行方を捜す。

「ヨイ豊」が直木賞候補となった注目の著者による時代長編。(KADOKAWA 1700円+税)


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