「『大正』を読み直す」子安宣邦著

公開日: 更新日:

「大正デモクラシー」の発火点を、近代日本最初の民衆騒擾「日比谷事件」(1905年)とすると、「米騒動」(1918年)をその結節点と見ることができる。こうした歴史的局面で、集合し抗議の意思表示をする不特定の社会的集合体「大衆」が存立した「大正」は、「大衆社会」成立の時代だと著者は説く。

 本書は、大正前夜の「大逆事件」をはじめ、幸徳秋水の「直接行動論」、大杉栄の思想、河上肇の「貧乏物語」などを読み解きながら、昭和の全体主義を生み落とした「大正」について考察した歴史テキスト。「大衆的喝采」なしには「全体主義」は成立しない。大正の「大衆社会」の早期的成立が昭和の全体主義成立、そして現代へとつながる背景を論じる。(藤原書店 3000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網