「選ばれし壊れ屋たち」鹿島田真希著

公開日: 更新日:

 新人作家の小夜は、デビュー作は評価されたものの、2作目が書けず、担当編集者に斡旋してもらったボーイズラブ小説の応募原稿の下読みで糊口をしのいでいた。ある日、小夜を呼び出した元カレの北川が、クリエーターになると言い出す。この前まで目指していたアーティストになるのは諦めたらしい。

 大学時代、その意味深な言い回しに多くの友人たちがだまされたが、小夜はもうだまされない。読んでもいない彼女の小説を批評する北川の話を聞き流し、部屋に戻った小夜は北川という教祖を自分の中から抹殺するため、応募作の下読みに没頭する。

 北川をはじめとする周囲の壊れた人たちに翻弄されながら生きる小夜を主人公に描く青春小説。(文藝春秋 1600円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず