「選ばれし壊れ屋たち」鹿島田真希著

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 新人作家の小夜は、デビュー作は評価されたものの、2作目が書けず、担当編集者に斡旋してもらったボーイズラブ小説の応募原稿の下読みで糊口をしのいでいた。ある日、小夜を呼び出した元カレの北川が、クリエーターになると言い出す。この前まで目指していたアーティストになるのは諦めたらしい。

 大学時代、その意味深な言い回しに多くの友人たちがだまされたが、小夜はもうだまされない。読んでもいない彼女の小説を批評する北川の話を聞き流し、部屋に戻った小夜は北川という教祖を自分の中から抹殺するため、応募作の下読みに没頭する。

 北川をはじめとする周囲の壊れた人たちに翻弄されながら生きる小夜を主人公に描く青春小説。(文藝春秋 1600円+税)


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