「殉教者」加賀乙彦著

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 1615年、長崎・野母の港から夜闇にまぎれて、キリシタン指導者の息子、ペトロ岐部カスイはイスパニア人修道士とともに外国帆船に乗り込んだ。キリシタン弾圧がひどくなった日本を脱出し、マカオ、ゴアを経由して隊商に潜りこみ、砂漠を旅して徒歩でエルサレムにたどり着く。イエスの墓に祈りを捧げたペトロは、まるで十字架にかかったように両手と両足と脇腹に激痛を感じた。ローマでイエズス会の司祭になったペトロは、宣教のため危険を顧みず商人として日本に潜入する。

 5万3000キロの旅の末に、日本人として初めてエルサレムを訪れた巡礼者の、信仰に導かれた生涯を描く長編。(講談社 1850円+税)

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