一向に打開の兆しのない「沖縄問題」の実態と真実に迫る

公開日: 更新日:

「沖縄自立の経済学」屋嘉宗彦著

 米軍基地依存といわれる沖縄経済。その実態はどうなのか。沖縄出身の経済学者である著者によれば問題点は2つ。

 第1は沖縄が県外に売る収益が8413億円、県外から買う支出は1兆5710億円と、県際収支が著しく不均衡なこと。第2は県や市町村政府による経済活動に占める割合が、他府県25%に対して沖縄は40%と非常に大きい。このため沖縄の地域経済は自立からほど遠くなっている。

 特に沖縄は農業が主要産業だが、戦後の日本政府は一貫して農業自給率を下げる政策をつづけ、農業従事者の未来を期待できないものにしてきた。沖縄は72年の本土「復帰」後、成長路線が陰る中で本土中心の全総(全国総合開発計画)に組み込まれたことで余計に不利になってきた。

 要は沖縄の「自立不全」は単に地元の責任ではないのだ。著者はあくまで冷静に議論を進めつつ政府の沖縄振興計画の見込みの甘さ、80年代に始まった大規模リゾート開発の欠点などを点検していく。政治とは違った観点からの鋭い問題提起。(七つ森書館 2200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?