「黒い本」オルハン・パムク著、鈴木麻矢訳

公開日: 更新日:

 イスタンブールの弁護士ガーリップが帰宅すると、風邪で寝ていたはずの妻・リュヤーがいない。妻が残した手紙は彼女の異母兄・ジェラールがコラム執筆に使うものと同じ緑色のボールペンで書かれていた。ジェラールに電話すると仕事場にくるように言われたが、彼は不在。編集室で尋ねてみると、彼はもう10日も原稿を送ってこないという。コラムで街に関わる逸話を書いているので、そういう街のどこかの隠れ家で息も絶え絶えになっているのではないか。2人が一緒にいると考えたガーリップは妻を捜して街をさまよう。

 コラムに描かれた街の奇妙な逸話と個人の歴史が交錯する迷宮のようなミステリー。

(藤原書店 3600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃