「治部の礎」吉川永青著

公開日: 更新日:

 天正10(1582)年、備中を攻略中の秀吉は清水宗治の抵抗にあう。軍師・黒田官兵衛は、清水がこもる高松城を水攻めするため、近隣の百姓らが持ち込む土嚢に米や金を支払う。秀吉の近習・三成は、主君の財を使い果たすこの水攻めに賛同できない。

 そんなとき、信長横死の一報が入る。三成は、秀吉に命じられ、明智の寄騎である筒井順慶の兵を封じるため、大和郡山城に向かう。筒井の説得に成功した三成は、戦は戦場での功だけがすべてではないと学ぶ。ただ、加藤清正らに見下され、忸怩たる思いを抱く。そんな中、秀吉の天下取りの真意を知った三成は、秀吉のもとで秩序をもって世の乱れを糾すという大義に生きることを誓う。

 義に生き、日本の礎を築いた石田三成の生涯を描く時代長編。(講談社 1850円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か