「サイレント・ブレス」南杏子著

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 大学病院の医師、水戸倫子は、大河内教授から在宅医療を行う訪問クリニックへの左遷を命じられた。

 初日最後の患者はジャーナリストの知守綾子。末期の乳がん患者で、死ぬために自宅に戻ったという。新しい抗がん剤の治験を断り、たばこもやめようとしない。綾子の自宅には、怪しげなスキンヘッドの男も出入りしている。戸惑う倫子に大河内教授は、「治る患者を治す平和な治療だけしていると、人が死ぬということを忘れがちなんだよ。治らない患者から目をそらしてはいけない」と諭す。綾子の死後、倫子の元に一冊の本が届いた。

 現役の医師が終末期医療のあり方を問う医療ミステリー。(幻冬舎 1600円+税)


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