「教育費破産」安田賢治著

公開日: 更新日:

 経済格差が子どもたちの進学に影響している実態を告発するリポート。

 60年前の大学進学率はわずか8%足らずだったが、現在は5割を超え、短大・専修学校を含む進学率は、ほぼ8割となった。

 一方で、国立大の学費が40年で5.6倍になるなど、学費は軒並み高騰。幼稚園から高校まですべて私立の教育機関に進んだ場合、費用の平均額は1700万円を超え、地方出身者が東京の私大理系に進学した場合は、3000万円になるとか。

 経済格差が広がる中、学生たちは奨学金に頼るが、卒業後に返済できずに自己破産に至るケースが続出。奨学金破産の影響は、保証人となった親らにも及んでいるという。苦しむ学生とその親たちの実態と、高騰する教育費が格差の再生産をつくり出している現実を伝える。(祥伝社 780円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち