おもしろ本屋と出合う本特集

公開日: 更新日:

「わたしの小さな古本屋」田中美穂著

 岡山県倉敷市で小さな古本屋を一人で切り盛りする女性店主が、その日常をつづったエッセー。

 仕事を辞めたその日に、古本屋を開くことを決めた著者は、その足で不動産屋を巡り店舗を探し始める。見よう見まねで、21歳で一国一城のあるじになったものの、売り上げは伸びず、早朝や深夜のアルバイトが必要だった。しかし、父の死を転機に、本腰を入れて仕事に向き合うことで次第に軌道に乗り始めたという。やがて人とのつながりから、さまざまなイベントを店で行うようになり、気が付けば20年を超える歳月が過ぎていた。大金も動かず、派手さもない古本屋の仕事だが、つづられる一期一会の客との出会いなどから、働くことの喜びや生きることの本質について改めて考えさせてくれる。(筑摩書房 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    突然告げられた強制米留学、現地では毎日ドミニカ人全員に飯を奢り続け、球団の領収書を切った

  2. 2

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  3. 3

    全英V山下美夢有の「凱旋フィーバー」は望み薄…6年前の渋野日向子と決定的な違いとは?

  4. 4

    酷暑の大阪万博会場を歩いたら“地獄”だった! 午後の気温は40度近く、大屋根リングはガラガラ

  5. 5

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  1. 6

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  2. 7

    東洋大姫路(兵庫)岡田監督「大学からは『3年で』と言われたけど、ナンボ何でも無理ですと」

  3. 8

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ

  4. 9

    中村芝翫に別れたはずの愛人と元サヤ報道…夫が不倫真っ只中でも妻・三田寛子は家族写真投稿の複雑胸中

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない