標準治療だけでは助からない 時代遅れの日本のがん治療

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 がんの標準治療といえば、手術・抗がん剤・放射線の3つ。しかし、石井光著「医者の罪と罰」(幻冬舎 1100円+税)では、日本におけるがん治療は時代遅れで無駄が多いと警鐘を鳴らしている。

 がんとはそもそも、免疫の病気だ。遺伝子に損傷を受けて異常増殖するようになったがん細胞を、NK細胞と呼ばれる免疫細胞が攻撃し破壊してくれているうちは、がんを発症せずに済む。しかし、NK細胞の活性が低下すると、がんの引き金となる。がんの「完治」を目指すなら、NK細胞の活性を回復させ、高めることが不可欠なのだ。

 内視鏡専門医である著者も、NK細胞を体外で増殖強化して体内に戻す、ANK療法という免疫療法を12年前から実施している。

 しかし、日本で標準治療に従事する多くの医師たちは、がん患者に標準治療のみを強要し、免疫療法を否定する。その背景にあるのが、医療保険制度だ。

 わが国の医療サービスは、誰もが平等に受けられる保険診療と、がんの先端治療など、よほどのことがなければ縁がない自由診療の2本立てになっている。あらゆる治療法をすべて公的医療保険で賄うには、財源が足りないためだ。そして、基本的に保険診療に従事している標準治療の医師は、免疫療法をはじめとする自由診療を実施する立場にない。

 そのため、勉強不足で狭量の医師に別の病院で自由診療も受けたいと相談しても、「そんなものは効かない」「どうしても受けるならうちではもう診ない」と言われることも珍しくない。また、セカンドオピニオンに保険治療の医師を選んでしまっても、自由診療は否定される確率が高い。しかし、このような対応は明らかに法律違反だと本書。2006年に成立した「がん対策基本法」では、患者の意向を尊重して治療の選択がされるよう定められているためだ。

 著者は標準治療を完全否定はしておらず、ANK療法との併用が重要であり、進行がんでも完治が望めるとしている。「知らなかった」では命を落としかねない、日本のがん治療の真実がここにある。

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