北朝鮮の危険な動き 先入観にとらわれない真実の姿

公開日: 更新日:

「独裁国家・北朝鮮の実像」坂井隆、平岩俊司著

 国際社会の批判と圧力を無視してミサイル発射の実験を繰り返す金正恩。とかく若く経験不足の独裁者が気まぐれに起こす行為とみなされがちだが、本書の著者はきわめて意図的な対米行為とみる。

 実験を繰り返すことで米韓は高高度迎撃ミサイルシステムを充実させ、中国はこれを対中包囲網の強化と見て反発する。このしたたかな計算で、北朝鮮はみずからすり寄らずとも中国を自陣に引き込めるというのだ。

 他方、中国にとって朝鮮有事を避ける非核化は重要だが、日本とは全く違った長期の時間軸で見ているという。また中国にとって北朝鮮を無理に非核化したところで、得られるものは多くないことも重要。それゆえ日米が中国に期待し過ぎないのが肝心。北朝鮮の国内事情についても通説どおりの恐怖政治は考えにくい、とみる。脱北者の増加も、食うや食わずのためではなく、厳しくなった不正摘発に追われた官僚の逃亡ではないかと説く。要は先入観にとらわれない多面的な見方ということだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    甲子園ドラフト候補「行きたい球団」「行きたくない球団」

  2. 2

    韓国が切り札で反撃 安倍首相の嘘が招いた“東京五輪潰し”

  3. 3

    未浄化下水広がる“肥溜めトライアスロン”に選手は戦々恐々

  4. 4

    兵庫・明石商監督に聞いた データ分析のチーム強化の労苦

  5. 5

    舘ひろし氏「太平洋戦争はエリートが犯した失敗の宝庫」

  6. 6

    靖国参拝で改めて認識 進次郎氏の軽薄さとメディアの劣化

  7. 7

    北朝鮮ミサイル発射を傍観するトランプ大統領“本当の狙い”

  8. 8

    引きこもりだった大学生が「しょぼい喫茶店」を始めるまで

  9. 9

    セレブ子弟集まる青学初等部に残る“ボスママ戦争”の後遺症

  10. 10

    香取慎吾の出演を認めさせた 萩本欽一&ジャニー社長の絆

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る