「系外惑星と太陽系」井田茂氏

公開日: 更新日:

 夜空の星をぼんやり見上げている場合ではない。今、天文学界が非常に熱いのだ。

 発端は1995年に遡る。太陽系外で初めて惑星(ホット・ジュピター)が突如発見された。それまでは、系外惑星は存在しないか、非常にまれで、天文学界では地球と太陽系を中心に議論されていたのだ。

「最初は多くの研究者が発見を疑いました。中心星のすぐそばを回る巨大な惑星なんて、あまりに非常識だったから。太陽系では、中心星から離れた場所に巨大惑星ができるはずという理論でした。ところが誰が観測しても同じものが見える。太陽系の研究が成熟期に入っていたのに、突然足元をひっくり返されたわけです。呆然自失ですよ。でも落胆するのではなく、爽快感と高揚感でした。むしろこれから楽しくなるぞ、と天文学界は熱いんです」

 以降、続々と系外惑星が発見された。さらに海を持ち、生命が生息する可能性のある系外惑星(ハビタブル惑星)探しが過熱。今年2月にもNASAが「発見した系外惑星のうち、いくつかに海が存在する可能性がある」と発表した。メディアでは「第2の地球」と表現することも多い。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較