• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

足を踏み入れた人にした分からない美大の真実

「美大生図鑑 あなたの周りにもいる摩訶不思議な人たち」ヨシムラヒロム著

 東京芸術大学を「最後の秘境」と位置付け、芸大生の天才奇才ぶりを紹介する本が話題となった。しかし、武蔵野美術大学出身の著者は、美術・芸術大生の全員が個性的とは限らないという。美大も決して秘境ではないと。

 本書では、自らの体験を踏まえながら、レッテルを貼られがちな美大生や美大のありのままの姿を紹介する。

 ほとんどの美大では、実に学生の7割が女子で、学内はほぼ女子大の様相を呈しているという。しかし、彼女たちは入学当初こそ、おしゃれにも気を使っているが、制作の道具を持ち歩いたり、絵の具やインクで服が汚れるため、学年が上がるごとに女子力は低下。中身も男っぽく、精神的にもタフで、男子学生もたじたじだそうだ。

 また、女子大生の多くは作品のために全裸になることもいとわず、最初は彼女たちの裸に興奮していた男子学生も、いつしかそれが当たり前に感じられてしまうのだとか。

 さらに、かつては実技一辺倒の入試だったが、現在は推薦や論文、面接で入学する学生も多くなったので、絵が全く描けなくても美大生になれるという。

 そのほか、ヌードデッサンの実態や、卵をボール紙1枚で包み、割れない折り方を考える課題(実際に校舎の4階から落とす実験もあり)など、モノを生み出し続けるための造形力を身につける講義の中身は興味深い。

 大学のクラブ棟に住み着いた年齢不詳の長老と呼ばれる先輩学生や、ウエディングドレス並みの全身真っ白のコーディネートで講義する教授など、学生も学生なら、教授陣もさらにその上を行くアクの強さを放っている。

 読むほどに、著者の意図に反して秘境・変人だという思いが強くなってくるのはなぜだろうか。(飛鳥新社 1111円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “元彼”と同時引退? 幻に消えた安室奈美恵の「再婚」報道

  2. 2

    狙われる関ジャニ∞…錦戸&大倉“ベッド写真”流出の裏事情

  3. 3

    台湾4割スラッガー王柏融めぐり 巨人vs阪神で争奪戦勃発

  4. 4

    崩れた圧勝皮算用 安倍3選という「終わりの始まり」<上>

  5. 5

    内部留保が過去最高446兆円 貯め込んでいる大企業はココだ

  6. 6

    今季でクビの選手が続出? 阪神“不良債権”11億円の中身

  7. 7

    虎最下位で金本続投白紙…後任に掛布・岡田という“断末魔”

  8. 8

    安室奈美恵9.16引退余話 沖縄への“置き土産”は数十億円

  9. 9

    追悼・樹木希林さん 貫いた“奇妙な夫婦愛”と“ドケチ伝説”

  10. 10

    お蔵入り乗り越え 妻夫木聡&井上真央「乱反射」 の舞台裏

もっと見る