「わらべ歌に隠された古代史の闇」関裕二著
古来、子どもには不思議な力が秘められていると考えられ、多くの神事でも童子・童女が大役を任されてきた。そうした神事・祭りが遊びとなって今日に伝わってきた可能性が高いと著者はいう。本書は、あの「カゴメ歌」に秘められた暗号を解読しながら、古代史の謎に迫る歴史読み物。
民俗学者の柳田国男は、カゴメは「籠目」ではなく、鬼がしゃがんだ状態を示す「かがめ」がなまったものだと解釈。しかし、著者は竹で編んだカゴ(籠)そのものが神聖な器であり、カゴメの一言がすでに暗示であったと、その理由を解説する。竹取物語との共通性、原形とみられる地蔵遊び、千葉県野田市に伝わる発祥伝説などを検証しながら、邪馬台国など古代史の真相に迫る。(PHP研究所 740円+税)