「僕が恋した日本茶のこと」ブレケル・オスカル著
スウェーデン生まれの著者(32歳)は高校生時代に日本茶のとりこになり、日本茶を学ぶために日本語を習得し、2010年に岐阜大学へ留学。14年には「日本茶インストラクター」の資格を取得した。そんな彼が日本茶の魅力を語った本。
大産地・牧之原台地のお茶づくりは、明治維新で特権を失った武士と川越人足が入植し、アメリカ向けの輸出品として日本茶の栽培が始まったという意外な歴史があることや、お茶の色は緑色というイメージが定着するに至った歴史にもさまざまなドラマがあることなど、日本人にもあまり知られていないことが随所で紹介されている。
著者が日本茶の世界に開眼するきっかけとなったのが、東京・表参道にある日本茶カフェ「茶茶の間」で味わったこと。その店のオーナー・和多田喜氏との対談も収録。 (駒草出版 1500円+税)