「オリンピックがやってきた」堀川アサコ著

公開日: 更新日:

 西洋館に住んでいる〈奥様〉は亡命ロシア人だと信じられている。タロットカードが得意なので「お屋敷の魔女」と呼ばれ、みんながなくし物の相談などにくる。前田ツナがお腹が痛いという孫娘を連れてきた時は虫垂炎だと見抜いて医者に行かせた。その晩、ツナと嫁は孫娘を初めから医者に連れていかなかったことで口論に。ツナは戦死した息子の形見を入れた手箱を嫁が捨てたと罵る。ある日、奥様の所へ坊主頭の青年がやってきて、実家に手紙を出そうとするとポストも郵便局も消えてしまうという。奥様が預かって前田家に持っていくと、それは戦死した息子の手紙だった。(「第1話」)

 東京五輪開催前の時代を描く6編の短編集。

(KADOKAWA 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  2. 2

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  5. 5

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    ブルージェイズ知将が温めるワールドシリーズ「大谷封じ」の秘策…ドジャース連覇は一筋縄ではいかず

  3. 8

    高市政権は「安倍イタコ政権」か? 防衛費増額、武器輸出三原則無視、社会保障改悪…アベ政治の悪夢復活

  4. 9

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  5. 10

    亀梨和也気になる体調不良と酒グセ、田中みな実との結婚…旧ジャニーズ退所後の順風満帆に落とし穴