「オペレーションZ」真山仁著

公開日: 更新日:

 新総理大臣の江島隆盛は、就任早々、総理公邸地下の談話室に、江島が主宰する勉強会に参加している若手財務官僚たちを招集した。国の借金が1000兆円を超えている現在、このまま何もせずにいたら近い将来、デフォルト(国家破綻)は現実のものとなってしまう。日本がデフォルトしたら、世界経済も破綻するのは必至。それを防ぐためには、一般会計の歳出を半減するくらいの荒療治が必要だ。

 それを断行するためのプロジェクトを「オペレーションZ」と名づけた。しかし、それを実現するには、年金支給一時停止および給付額半減、健康保険料と医療費自己負担の倍増、介護保険支給額半減という過酷な負担を国民に強いなければならない。

 江島から密命を帯びた若手財務官僚たちは、秘密裏にこの不可能なミッションを遂行していく。しかしその前に立ちはだかるのは、内部の権力争い、官僚の抵抗、メディアとの情報戦、世論の反発……。

 目を塞いで蓋をしている問題をこじ開けて、事態の深刻さを突きつけてくる、アクチュアリティーに満ちた近未来小説。

 (新潮社 1800円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    IOCが中止を通知か 東京五輪「断念&2032年再招致」の仰天

  2. 2

    宮崎美子“61歳ピカピカ”ビキニ…美魔女ナイスバディなぜ?

  3. 3

    岩隈引退は「第1弾」…巨人の大リストラがついに始まった

  4. 4

    理想の花嫁・竹下景子に交際疑惑 男がマンションに入り…

  5. 5

    性急すぎる菅政権 福島原発処理水「海洋放出」決定の大罪

  6. 6

    近大・佐藤は抽選確実 クジ運ない巨人が選んだ“外れ1位”は

  7. 7

    東海大野球部“薬物汚染”でドラフト大混乱「指名できない」

  8. 8

    高級ブランドに匹敵 ワークマンが出してきた本気の機能服

  9. 9

    戸田恵梨香「東出昌大共演NG」に疑問 本人の意思なのか?

  10. 10

    石破茂氏はどこへ…悲愴の派閥会長辞任から立て直せるのか

もっと見る

人気キーワード