「いのちがけ」砂原浩太朗著

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 主人公・村井長頼は戦国武将・前田利家に仕える武士。故あって浪々の身となった主従が松平元康(後の徳川家康)の家中に身を置くところから物語は始まる。

 やがて織田家存亡をかけた桶狭間の戦いの中で初陣を飾った長頼は、権謀術数渦巻く戦国の世を通じて、常に利家に付き従い、幾度となくその危機を救うとともに「いのちがけ」で生きることの意味を悟っていく。すなわち、「いのちがけ」とは立派に死ぬことではなく、真剣に生き抜くことだということを。

 利家の肩越しに、その後の時代を形づくっていく織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らの武将の人となりを見つめた、興味深い小説となっている。

(講談社 1750円+税)


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