「いのちがけ」砂原浩太朗著

公開日: 更新日:

 主人公・村井長頼は戦国武将・前田利家に仕える武士。故あって浪々の身となった主従が松平元康(後の徳川家康)の家中に身を置くところから物語は始まる。

 やがて織田家存亡をかけた桶狭間の戦いの中で初陣を飾った長頼は、権謀術数渦巻く戦国の世を通じて、常に利家に付き従い、幾度となくその危機を救うとともに「いのちがけ」で生きることの意味を悟っていく。すなわち、「いのちがけ」とは立派に死ぬことではなく、真剣に生き抜くことだということを。

 利家の肩越しに、その後の時代を形づくっていく織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らの武将の人となりを見つめた、興味深い小説となっている。

(講談社 1750円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…