「いのちがけ」砂原浩太朗著

公開日: 更新日:

 主人公・村井長頼は戦国武将・前田利家に仕える武士。故あって浪々の身となった主従が松平元康(後の徳川家康)の家中に身を置くところから物語は始まる。

 やがて織田家存亡をかけた桶狭間の戦いの中で初陣を飾った長頼は、権謀術数渦巻く戦国の世を通じて、常に利家に付き従い、幾度となくその危機を救うとともに「いのちがけ」で生きることの意味を悟っていく。すなわち、「いのちがけ」とは立派に死ぬことではなく、真剣に生き抜くことだということを。

 利家の肩越しに、その後の時代を形づくっていく織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らの武将の人となりを見つめた、興味深い小説となっている。

(講談社 1750円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも