「もうすぐ絶滅するという煙草について」キノブックス編集部編

公開日:  更新日:

 冒頭、芥川龍之介の俳句「紙巻の煙の垂るる夜長かな」の紹介で始まる本書は、たばこについて書いたり、語ったりした作家らのエッセーをまとめたものだ。

 例えば「オーパ!」など数々の名作ルポルタージュを世に送りだし、無類の愛煙家で知られた開高健(1989年没)はインタビューでこう言う。

「たばこの効用ってのは、煙にあるんじゃないだろうか。ユラユラ、モクモクと動く煙を見ているうちに、無意識に心が解放されていくんやね。暗闇のなかでたばこを吸ってごらんなさい。味も何もしやしない。第一、吸う気にもならない」

 他に、たばこは献酬(お酒を酌み交わすこと)と同じく、見ず知らずの人からもらってもよいもののひとつだが、これは共に「共同体立ち上げの儀式」であったことの名残ではないかという、哲学者の内田樹や、浅田次郎、安西水丸、島田雅彦らのエッセー42編を収録。

(キノブックス 1500円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    森友問題の反省ナシ…昭恵夫人が公然と野党批判の“妄言”

  2. 2

    第2の加計問題? “漁業潰し”仕掛人は規制改革のメンバー

  3. 3

    巨人マギーの報われない退団 「世代交代」とは遠い実情

  4. 4

    自画自賛が一転…“イッテQ疑惑”対応を誤った日テレの痛恨

  5. 5

    原爆Tシャツ、ナチス帽…「BTS」日本への“本格進出”は白紙

  6. 6

    呆れた安倍内閣 「徳」なし総理の下「徳」なし大臣集まる

  7. 7

    巨人のFA丸獲得は“天敵”広島対策 最強オプションの提示も

  8. 8

    巨人原監督“正捕手起用”の意向…炭谷のFA補強に西武OB警鐘

  9. 9

    原監督は明言も…巨人・岡本「来季三塁構想」の信ぴょう性

  10. 10

    日ハム吉田輝星の原点 「投球フォーム」に託した父の願い

もっと見る