「未来恐慌」機本伸司著

公開日: 更新日:

 2029年、プログラマーの別所は、勤務先から出向して翌年に開催されるウェブ万国博覧会の日本館パビリオンの制作に携わる。

 仮想空間で開催されるウェブ万博の日本館の目玉は、スーパーコンピューターによる詳細な未来予測だった。未来学者の大竹の監修で、コンピューターがはじき出した未来は、株価の下落に伴う燃料費の高騰による恐慌がきっかけとなり、経済システムが破綻。グローバル化した社会が崩壊することで、人類は滅亡に至るというものだった。デモンストレーションを見た上層部は、大竹を更迭して、新たなデータで未来予測がつくられることになった。そんなある日、高速自動取引によって株価が急落する。

 読み進めるほどに背筋が寒くなる経済版「日本沈没」。

 (祥伝社 790円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    国分太一の不祥事からたった5日…TOKIOが電撃解散した「2つの理由」

  1. 6

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  2. 7

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  3. 8

    「ミタゾノ」松岡昌宏は旧ジャニタレたちの“鑑”? TOKIOで唯一オファーが絶えないワケ

  4. 9

    中居正広氏=フジ問題 トラブル後の『早いうちにふつうのやつね』メールの報道で事態さらに混迷

  5. 10

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償