「未来恐慌」機本伸司著

公開日: 更新日:

 2029年、プログラマーの別所は、勤務先から出向して翌年に開催されるウェブ万国博覧会の日本館パビリオンの制作に携わる。

 仮想空間で開催されるウェブ万博の日本館の目玉は、スーパーコンピューターによる詳細な未来予測だった。未来学者の大竹の監修で、コンピューターがはじき出した未来は、株価の下落に伴う燃料費の高騰による恐慌がきっかけとなり、経済システムが破綻。グローバル化した社会が崩壊することで、人類は滅亡に至るというものだった。デモンストレーションを見た上層部は、大竹を更迭して、新たなデータで未来予測がつくられることになった。そんなある日、高速自動取引によって株価が急落する。

 読み進めるほどに背筋が寒くなる経済版「日本沈没」。

 (祥伝社 790円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン