「動物たちのすごいワザを物理で解く」マティン・ドラーニリズ・カローガー著 吉田三知世訳

公開日: 更新日:

 動物の生態のほとんどすべては、子孫を残すための生殖とそれを維持するための食べ物を確保することだと語る著者。そして、動物は人間より先に物理を利用し始めたと。

 例えばデンキウナギ。彼らは電気の原理を応用し、高圧電流を一気に発生させ、感電死させる。彼らの頭はプラス極、尻尾はマイナス極になっていて、皮膚の上の電流を増加させる。獲物を見つけると数段高いパルスを送り、その存在を確かめる。次に最高500ボルトに達するパルスを、毎秒400回という速さで目標に発射する。食べるまでの時間はわずか0・1秒という早業だ。

 この他、「低音で誘惑する孔雀」「三角測量がお得意の象」「生物版GPSを使う亀」など、おもしろ物理学と動物の話が満載されている。(合同出版 2300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘