「み仏のかんばせ」安住洋子著

公開日: 更新日:

 松助は、死罪人の首を斬り落とす徳川家御佩刀御様御用役の浅右衛門に中間として仕える。松助が実は志乃という名の女だということは浅右衛門しか知らない。10年前、14歳で奉公に出された志乃は女衒から逃げ出し、男装して江戸にたどりついた。口入屋の仲介で、浅右衛門に雇われた志乃は、以来、男として生きてきた。

 しかし、ある夜、夜盗に襲われたことをきっかけに、主に迷惑が及ぶことを恐れた松助は、女に戻り、物売りをしながら長屋で人目を忍びながら暮らす。やがて、普請屋の下働きの壮太と所帯を持つことになった志乃だが、壮太も人に明かせない過去を抱えていることが分かる。

 過去がある2人が支え合って生きる姿を描く人情時代長編。 (小学館 570円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景