「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」パイパー・カーマン著 村井理子ほか訳

公開日: 更新日:

 アメリカの白人上流家庭に生まれ育ち、名門女子大を卒業、充実したキャリア生活を送っていた著者は、つき合っていた女性に依頼されてヘロイン麻薬取引に関わったことから、起訴され、女性刑務所に収監された。

 そこで著者は、それまでなら決して出会うこともなかったであろう人々と出会う。例えば、性転換手術を受けて、女性になったヴァネッサ。彼女は頭がよく、ちゃめっ気たっぷりで、自身の失恋話を面白おかしく話すものだから刑務所中の人気者だ。その一方で露出狂で、手術でつくったバギナやDカップの胸をそれとなく見せびらかす。刑務所でそんな彼女らと過ごしていたある日、7カ月ぶりに裸で鏡の前に立った著者は、自分に以前の虚栄が消えているのを知る。女性刑務所での13カ月間の体験をつづる回想録で、出版後、アメリカ本土で多くのメディアに取り上げられドラマ化もされた話題作だ。

(駒草出版 1800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ