「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」パイパー・カーマン著 村井理子ほか訳

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 アメリカの白人上流家庭に生まれ育ち、名門女子大を卒業、充実したキャリア生活を送っていた著者は、つき合っていた女性に依頼されてヘロイン麻薬取引に関わったことから、起訴され、女性刑務所に収監された。

 そこで著者は、それまでなら決して出会うこともなかったであろう人々と出会う。例えば、性転換手術を受けて、女性になったヴァネッサ。彼女は頭がよく、ちゃめっ気たっぷりで、自身の失恋話を面白おかしく話すものだから刑務所中の人気者だ。その一方で露出狂で、手術でつくったバギナやDカップの胸をそれとなく見せびらかす。刑務所でそんな彼女らと過ごしていたある日、7カ月ぶりに裸で鏡の前に立った著者は、自分に以前の虚栄が消えているのを知る。女性刑務所での13カ月間の体験をつづる回想録で、出版後、アメリカ本土で多くのメディアに取り上げられドラマ化もされた話題作だ。

(駒草出版 1800円+税)


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