「城の王」スーザン・ヒル著幸田敦子訳
犬猿の仲だった父親が死に、ロンドン郊外の屋敷を引き継いだジョーゼフは11歳の息子・エドマンドと移り住む。妻を6年前に亡くしているジョーゼフは、息子の世話と遊び相手をさせるために、11歳の息子・チャールズを女手ひとつで育てるヘレナを住み込みの家政婦に雇う。
しかし、エドマンドにとって父親の心遣いは迷惑以外の何物でもなかった。母子が屋敷に到着した日から、エドマンドは、大人の目を盗んでチャールズへの敵意をむき出しにする。この屋敷に自らが望んで来たわけではないチャールズは虚勢を張るが、エドマンドには通じない。エドマンドのいじめは日に日に執拗になっていく。
いじめが横行する今こそ大人も子供も読むべき英国の名著の復刻。 (講談社 850円+税)