「城の王」スーザン・ヒル著幸田敦子訳

公開日: 更新日:

 犬猿の仲だった父親が死に、ロンドン郊外の屋敷を引き継いだジョーゼフは11歳の息子・エドマンドと移り住む。妻を6年前に亡くしているジョーゼフは、息子の世話と遊び相手をさせるために、11歳の息子・チャールズを女手ひとつで育てるヘレナを住み込みの家政婦に雇う。

 しかし、エドマンドにとって父親の心遣いは迷惑以外の何物でもなかった。母子が屋敷に到着した日から、エドマンドは、大人の目を盗んでチャールズへの敵意をむき出しにする。この屋敷に自らが望んで来たわけではないチャールズは虚勢を張るが、エドマンドには通じない。エドマンドのいじめは日に日に執拗になっていく。

 いじめが横行する今こそ大人も子供も読むべき英国の名著の復刻。 (講談社 850円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態