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「情報隠蔽国家」青木理著

 モリカケ問題はじめ続々噴出する醜聞を強引に抑え込む安倍政権。驕(おご)る権力は久しからずや。

◇

 共同通信記者からフリージャーナリストになった著者は「特定秘密保護法や盗聴法、共謀罪法などによって政府や治安当局の権限ばかりが大幅に強化され、私たちの情報を吸いあげる準備は整った。いや、すでに吸いあげられている。一方で森友学園や加計学園、防衛省・自衛隊をめぐる事例などで明らかなとおり、本来は公開されるべき公的情報は徹底して隠され、私たちは情報獲得の手段すら与えられていない」と危機感をつのらせる。

 この気持ちをバネに週刊誌に連載したルポやコラムを丁寧に改訂したのが本書だ。自衛隊の情報本部からの機密漏洩疑惑で犯人と決めつけられた現役自衛官が実名で告発した巻頭の章をはじめ、力のこもったルポが4本。ほかにコラムも豊富で、現政権下の諸官庁・諸機関でいかに「知る権利がないがしろにされているか」が実例を通して痛感される。(河出書房新社 1600円+税)


「権力の『背信』」 朝日新聞取材班

 モリカケ問題は決して終わってない。本書は2つの安倍スキャンダルでスクープした朝日新聞取材班による「中間報告」。

 森友問題の発端は一昨年秋、支局にかかってきた読者の女性からの一本の電話だったという。加計学園の獣医学部新設問題では文科省の文書に「総理の意向」という一語が入っていることを探り当ててスクープ。こうした仕事の背後にあるのが「調査報道」。地道で根気のいる作業を求められるが、「権力の監視役」としてのジャーナリズムの真骨頂を示す最高の機会でもある。400ページを超す大冊。さすがに読みごたえ十分だ。(朝日新聞出版 1500円+税)

「嘘に支配される日本」中野晃一、福島みずほ著

 国際政治学者と社民党副党首の対談で語る現代日本政治論。幼い時期をスイスとフランスで育った政治学者は帰国後、同質的な日本で「本当の日本人」じゃないと友達に言われたという。そんな体験をバネに日仏の比較政治を専攻し、両国とも地方自治体で社会党の首長が地方分権を進めたことを見いだしたという。

 現在の日本では小学校の指導要領に「祖父母を敬愛しよう」という復古的家族観が入り、自民党の改憲マンガでは「おじいちゃんとひいおじいちゃんが若いお母さんに説教」してお母さんが改憲に賛成するようになる筋が出てくる。そんな現状にどう対峙するか。自由な語りを通して政治への憂いと希望が模索される。(岩波書店 1800円+税)

【連載】本で読み解くNEWSの深層

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