「大店の暖簾下り酒一番」千野隆司著

公開日: 更新日:

 霊岸島の下り酒問屋の大店・武蔵屋は、新酒「灘桜」の独占販売権を獲得。4月1日を売り出し日と定め、事前に役者を呼んで集まった人々に酒を振る舞う試飲会を催し、手代の卯吉らは対応に追われる。

 卯吉は武蔵屋の先代主人の子供だったが、妾腹のため、先代亡き後、後を継いだ長男の市郎兵衛と義母のお丹らに冷遇されてきた。灘桜の売り出し日が刻々と近づくが、荷を積んだ船が、なかなか江戸に到着しない。お丹は、心配する得意先に期限に間に合わなかったら半値で卸すと告げていると知り、卯吉は店の経営に不安を抱く。やがて泥舟から逃げるように手代仲間らも店を去っていく。

 傾きかけた酒問屋の立て直しに奔走する卯吉を主人公にした時代小説シリーズ第1弾。

(講談社 640円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然