中高年筋トレ法

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「体力の正体は筋肉」樋口満著

 中高年の間で筋トレが大流行。でもやり方を誤ると大変なことに……!

 平日の午前中に近所のジムに行ったら中高年だらけだったなんていう経験は誰しもあるだろう。しかし問題は筋トレのやり方。見よう見まねの我流でやって体を壊しては元も子もない。本書はアンチならぬ「アクティブ・エイジング」を提唱する早大教授による“筋トレ原論”。

 たとえば筋肉は人によって「速筋線維」が多い短距離タイプと「遅筋線維」が多い長距離タイプに分かれる。加齢によって減りやすいのは前者。これを鍛えるには有酸素運動よりも瞬間的に強い負荷をかけるレジスタンス(筋抵抗)運動が効果的という。

 逆に加齢で筋量が減少すると、筋力も低下し、歩く速度まで遅くなる「サルコペニア」という病気のリスクが高まる。その診断は意外に簡単。両手の親指と人さし指の指先をくっつけて輪をつくり、それでふくらはぎの一番太いところを囲む。囲み切れなければサルコペニアの可能性は低く、逆に隙間ができるようだとサルコペニアによる筋量の減少が疑われるという。

 (集英社 700円+税)

「定年筋トレ」森谷敏夫著

 筋肉美の京大教授として有名になった著者。前著「京大の筋肉」の表紙ではなんとヌード姿を披露した。しかしその筋肉は60歳過ぎて始めた空手で身につけたものだという。まさに書名どおりの見本というわけだ。

 では具体的にどうトレーニングすればいいのか。ジムもいいが、自宅で自重トレから始める手もある。腕立て伏せ、腹筋、スクワットを10回ずつで1セット。これを3セット行って合計10分間。最初は回数も少なくていいから習慣になるまで続けること。また筋トレを始めて30分以内に必須アミノ酸を20グラムとる。一緒に糖質もとると吸収がいい。しかし食事直後や空腹時はトレーニングを避ける。でないと逆に筋肉が減る可能性もあるからだ。

 著者も今年68歳という高齢者だけに読者の身になってのアドバイスがうれしい。 (ワニブックス 900円+税)

「正しい筋肉学」岡田隆著

 人体模型のような筋肉イラストと写真を多数使って体と筋肉のしくみを視覚的に紹介し、トレーニング法も目で見せるのが本書。

 くびれのあるメリハリのきいた体にするにはどうすればいいか。筋肉モリモリのボディーにビルドアップしたければ力こぶ、胸板、腹筋、太ももと部位によって違う鍛え方の基本を知らねばならない。またそのためには骨格と筋肉の構造を……というわけで解剖図絵のイラストも入って、全体を論理的に理解するための実用性に富んでいる。

 (SBクリエイティブ 1000円+税)

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