「病理学講義」仲野徹著

公開日: 更新日:

「病理学」を広辞苑で引くと「疾病を分類・記載し、その性状を究め、病因および成り立ち方を研究する学問」とある。紀元前5世紀のギリシャでは「病気は体液の異常によって生じる」と考えられ、それが2000年近く信じられて、血液を抜く瀉血という治療法が行われてきた。

 だが、弱っているときに血を抜いたら病状が悪化するのは当たり前。近代的な意味での病理学は19世紀のプロイセンの医師、ウィルヒョウに始まる。ウィルヒョウは、病気の原因を探るために行う解剖(剖検)の方法を開発したのだ。彼の時代には17世紀に発明された顕微鏡で細胞や組織を観察することしかできなかった。

 大阪大学医学部の人気講義を書籍化。

(晶文社 1850円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも