「世界で一番売れている薬」山内喜美子著

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 世界で推定4000万人が服用しているといわれる高脂血症治療薬「スタチン製剤」。「世紀の薬」「奇跡の薬」と呼ばれる、この薬の誕生の軌跡を追った創薬ドキュメンタリー。

 1973年、製薬会社の研究所に勤務していた遠藤章博士が、青カビから世界で最初となるスタチン「ML―236B」(一般名メバスタチン)を発見。しかし、ML―236Bは臨床試験にまでこぎつけながら医薬として世に出ることはなかった。14年後、アメリカの製薬会社によって世界初のスタチン製剤が発売される。

 博士の研究人生を追いながらML―236Bがどのようにして生まれ、なぜ日本で最初に製品化されなかったのかを描きながら、新薬開発の現場と製薬・医学界の熾烈な開発競争を追う。

(小学館 820円+税)

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