「若返るクラゲ老いないネズミ老化する人間」ジョシュ・ミッテルドルフ、ドリオン・セーガン著 矢口誠訳
ベニクラゲは卵を産んだ後、成熟細胞を幹細胞に戻して幼体に戻り、新たな人生を始める。一方通行の成長過程を逆走するわけだが、人間はそうはいかない。
老化を遅らせるためのアンチエイジング薬の開発が期待されているが、もっとも期待されるのが、体の寿命時計を調整する方法である。人間の幼児期の成長、性的な成熟、骨のサイズや歯の生え替わりなどは、適切なときに遺伝子のスイッチをオンにしたりオフにしたりすることでコントロールされる。この時計をリセットして、体に「自分は実際の年齢よりずっと若い」と思い込ませる方法が発見されるかもしれないのだ。
理論生物学者が人間の老化を食い止める最新の科学を解説。 (集英社インターナショナル 2700円+税)