「負うて抱えて」二階堂和美著

公開日: 更新日:

 お寺で育った娘が私立の保育所に通っていた。12月になるとクリスマス一色。楽しそうにしている3歳半の娘に、「うちにはサンタさんは来んけどね」と言ったら、「わかっと!」と返され、はっとしたという。子どもは子どもなりに心の整理をし始めていたのだ。そして、せがまれたわけでもないのに店頭で見かけた小さなピンクのツリーを、迷ったあげく買ってしまった。そのとき、自分の中で何かが崩れると同時に、突っ張っていた意地のようなものがほぐれるのを感じた。

 ジブリ映画「かぐや姫の物語」の主題歌を作詞・作曲した1974年生まれのシンガー・ソングライターで、現在は実家の浄土真宗のお寺で僧侶もしている著者の珠玉のエッセー集。

(晶文社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  2. 2

    永野芽郁「鋼のメンタル」も文春砲第2弾でついに崩壊か?田中圭との“口裏合わせ”疑惑も浮上…CMスポンサーどう動く

  3. 3

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  4. 4

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  5. 5

    竹野内豊はついに「令和版 独身大物俳優」となった NHK朝ドラ『あんぱん』でも好演

  1. 6

    中居正広氏“反撃準備”報道のモヤモヤ…改革着々のフジテレビ尻目に「電撃復帰」への布石か

  2. 7

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  3. 8

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 9

    役者・林与一さん83歳の今も現役「糖尿病家系で甘いモノ好き。血糖値が問題ないのは運動のおかげ」

  5. 10

    囁かれる岸田前首相“再登板”に現実味? 一強時代到来で「安倍超え」に虎視眈々