「奇説無惨絵条々」谷津矢車著

公開日: 更新日:

 雲州松平家前当主・松平宗衍は家臣に引退させられ下屋敷で一切の布着用を認めない裸の茶会を催すなどして日々を過ごしていた。

 ある日、出入りの播磨屋が女衒(ぜげん)から買った女、幸を連れてきた。奥州の出で、飢饉で全滅した村の生き残りだった。家族全員の死を見ていることしかできなかった幸は、江戸は極楽だという。宗衍は、ここが極楽か否か、己が目で見定めよと言い、裸で仕事をさせるなどして虐待するが、幸は音を上げない。だが、宗衍が幸の美しい背中に幽霊の入れ墨を入れさせると……。(「雲州下屋敷の幽霊」)

 古本屋が、狂言の作者・河竹黙阿弥に台本のネタとして5編の戯作を渡すという設定の時代小説5編を収録。

 (文藝春秋 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒