「リベラルを潰せ」金子夏樹著

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 米ロ関係は冷戦以来、最悪といわれる。

 しかし、トランプを大統領に押し上げたアメリカと、プーチンが率いるロシアは、国家という枠組みを超えた視点から見ると、保守的な価値観をもとにした「反リベラル」という思想によって、底流で結ばれているという。

 その象徴ともいえるのが、ロシア当局と水面下でつながり、トランプの後ろ盾にもなっているキリスト教福音派の存在だ。個人の自由な選択の拡大は「行き過ぎた個人主義」を招き、「同性婚や中絶を助長して社会の骨格である家族を壊す」とリベラル派を攻撃し、「伝統的な家族観を守る」ことを主張する彼らの組織が、NGO「世界家族会議」だ。

 欧州の反リベラル政党や、イスラム諸国ともつながるその組織を中心とした反リベラルネットワークの実態に迫る。

(新潮社 800円+税)

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