「リベラルを潰せ」金子夏樹著

公開日: 更新日:

 米ロ関係は冷戦以来、最悪といわれる。

 しかし、トランプを大統領に押し上げたアメリカと、プーチンが率いるロシアは、国家という枠組みを超えた視点から見ると、保守的な価値観をもとにした「反リベラル」という思想によって、底流で結ばれているという。

 その象徴ともいえるのが、ロシア当局と水面下でつながり、トランプの後ろ盾にもなっているキリスト教福音派の存在だ。個人の自由な選択の拡大は「行き過ぎた個人主義」を招き、「同性婚や中絶を助長して社会の骨格である家族を壊す」とリベラル派を攻撃し、「伝統的な家族観を守る」ことを主張する彼らの組織が、NGO「世界家族会議」だ。

 欧州の反リベラル政党や、イスラム諸国ともつながるその組織を中心とした反リベラルネットワークの実態に迫る。

(新潮社 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒