「忖度と腐敗」田中稔著

公開日: 更新日:

 先日、在職歴代最長記録となった安倍首相。権力と予算が集中する1強政権下で、忖度と腐敗の政治は深刻化し、とても民主主義とは思えない様相だ。

 たとえば、2018年、首相官邸報道室長が要請した、東京新聞の望月衣塑子記者に対する質問制限。

 望月記者が「辺野古での埋め立て工事に、環境に悪影響を与える赤土を投入しているのでは」と質問したことについて、一方的に事実誤認と断定し、批判。これは市民の「知る権利」の侵害にあたる。

 他にもジャーナリストの安田純平氏に対する自己責任論の危うさ、森友・加計学園の闇、秋田市民を激怒させたイージス・アショア配備計画まで安倍政権下で起こった疑惑を一つ一つ丁寧に掘り起こし、腐敗ぶりを白日の下にさらす。

(第三書館 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋