「四角い光の連なりが」越谷オサム著

公開日: 更新日:

 東京駅からやまびこ号に乗った僕は33年前に5歳で生まれて初めて新幹線に乗った。実家の「佐々木写真店」の近くの一ノ関駅から乗ったことを思い出していたら、50歳前後の男女が窓の外から手を振っているのに気づいた。

 隣席の女性が「ちょっと、やめてよ」と言った拍子に紙コップのコーヒーをこぼした。女性が僕に謝っているうちに列車は発車した。仙台に就職した彼女を、両親が見送りにきたのだという。  僕はかつて2年で会社を辞めて実家に帰り、「店、継いでやろうか?」と言って父に怒鳴られたことを思い出した。今日は喪服を持ってその実家に向かっている。(「やまびこ」)

 列車にまつわる5つの物語。

(新潮社 1550円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA構想外の藤浪晋太郎を拾いそうな「意外な2球団」 “瀕死の剛腕”にはこれだけの魅力

  2. 2

    水前寺清子(4)気をつけていることといったら、「自分の心と違うことは言わない」ぐらいかな

  3. 3

    伊原陵人の女性トラブル報道と関係が? 阪神の若手有望株を巡る“不可解な塩漬け”

  4. 4

    DeNA藤浪晋太郎はたった1勝なのになぜ? 年俸「5000万→8000万円」大幅増のタネ明かし

  5. 5

    トランプ大統領がハシゴ外し! 高市首相“押しかけ外交”の赤っ恥…「中国は大戦時の同盟国」発言で面目丸潰れ

  1. 6

    藤島ジュリー景子氏「復権の宴」と、「死ぬほど悔しい」と今もむせび泣くジャニー喜多川氏性加害被害者の肉声

  2. 7

    『ペイパーバック・ライター』60年前の日本との実力差を感じる凝った機材セッティング

  3. 8

    錦野旦さん(1)勝新太郎さんに言われた「まねぶ」、ゴルフでもそれが大事だと思っています

  4. 9

    デカすぎた“ゾンビたばこショック”の余波…広島は左右エース&4番がそろってFA流出危機

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ