「高峰秀子の反骨」高峰秀子著

公開日: 更新日:

 市川崑監督の映画「東京オリンピック」に対する賛否両論がジャーナリズムを騒がせた。「記録性がないからダメ」という否定派と、「人間が出ていてイイ」という肯定派である。高峰は市川がオリンピック映画の総監督に選ばれたとき、「お役人もなかなかしゃれた人に目をつけたじゃないか」と思ったが早とちりだった。関係者は市川の映画を見たことがなかったのでは。でなければ完成したフィルムを「編集しなおせ」などと言えるはずがない。

 市川は「記録映画の“記録”という文字にこだわった批評には反論する気もしない」と言う。役人の不勉強の結果が「批判」という偉そうな言葉になったのでは。

 反骨精神旺盛な高峰のエッセー集。

(河出書房新社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち