「高峰秀子の反骨」高峰秀子著

公開日: 更新日:

 市川崑監督の映画「東京オリンピック」に対する賛否両論がジャーナリズムを騒がせた。「記録性がないからダメ」という否定派と、「人間が出ていてイイ」という肯定派である。高峰は市川がオリンピック映画の総監督に選ばれたとき、「お役人もなかなかしゃれた人に目をつけたじゃないか」と思ったが早とちりだった。関係者は市川の映画を見たことがなかったのでは。でなければ完成したフィルムを「編集しなおせ」などと言えるはずがない。

 市川は「記録映画の“記録”という文字にこだわった批評には反論する気もしない」と言う。役人の不勉強の結果が「批判」という偉そうな言葉になったのでは。

 反骨精神旺盛な高峰のエッセー集。

(河出書房新社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた